◇メジャー第3戦◇全米オープン 事前(10日)◇オークモントCC(ペンシルベニア州)◇7372yd(パー70) j1mq
今週のフィールド156人のうち、前回オークモントCCで開催された2016年を経験している選手は32人。13年連続13回目の大会出場となる松山英樹もその一人だ。4大メジャーすべてを知っているコースで戦えるのは2年連続のこと。長く第一線で戦ってきたからこそ、ローテーションの“2周目”に臨むことができる。
練習のみ行った前週の8日(日)から現地での調整をスタートした。「(全体の)雰囲気は変わってないですけど、変わっている部分はあるので。そこはしっかり確認しながらですね」。13番は右側の尾根が食い込んだり、ほかに新たなピン位置を切れるようになったグリーンもあり、改修を経たコースの変更点と丁寧に向き合いながら月曜から連日9ホールずつをチェックしてきた。
過去12度の全米オープンで唯一の予選落ちを喫した9年前は、悪天候でタフな戦いを強いられた。初日午後に予定していたスタートが遅れに遅れ、結局プレーできないまま終了。その日は練習もままならず、一気に36ホールを回った2日目に「74」「78」と苦しんだ。
「それ(経験)がいい方向に行くか、悪い方向に行くか、それは分からないですね。初めてのコースでもどこでも、自分の状態次第」と冷静に話す。やはりよく知るノースカロライナ州クエイルホロークラブで行われた5月「全米プロゴルフ選手権」ではメジャー20大会ぶりの予選落ちを喫したばかり。それでも、自らの状態について答える声のトーンがわずかに上がった印象もあるのはポジティブな点といえる。
「(ショットが)良くはなってきていると思うんで、これをあした最後に詰められるかだなって感じです。いい準備はできてきていると思う。それを初日からいい形で出せるように」。2週前の「ザ・メモリアルトーナメント」で気にするシーンもあった首にはこの日もテーピングを貼っていたが、オープンウィークだった前週もケアを施してきたという。「(身体の痛みなど)不安がない人はいないです」と表情を引き締め、大舞台への最終調整に集中する構えを見せた。(ペンシルベニア州オークモント/亀山泰宏)