日本オリンピック委員会(JOC)は6月6日、味の素ナショナルトレーニングセンター・ウエストで、社員アスリートの活躍事例共有をテーマに「第34回アスナビ採用企業情報交換会」を行いました。
アスナビは、オリンピック・パラリンピックや世界選手権などを目指すトップアスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、アスリートと企業をマッチングする無料職業紹介事業です。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関などに向けて本活動の説明会を行い、これまでに237社/団体428名(2025年6月6日時点)の採用が決まりました。
今回の情報交換会では同時にオンライン配信も行い、過去にアスリート社員を採用した企業から直接来場とオンライン参加を含めて24社34名が参加しました。
はじめに、柴真樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターが登壇し、「全日本空輸株式会社様と株式会社オリエントコーポレーション様によるアスリート雇用と活躍事例を参考に、具体的な課題を深く議論します。この分野の情報は教科書やAIでは得にくい貴重なものであり、参加者の皆様には積極的に意見を交わし、知見を深めていただきたい」と呼びかけました。また、「スタッフもグループワークに参加して共に学びを深め、オンライン参加者には、各企業の事例を視聴してもらい、後日この場に持ってきていただく機会を作っていただければありがたい。積極的なご参加をご期待申し上げておりますので、どうぞよろしくお願いいたします」と挨拶しました。
■社員アスリートの活躍事例共有
続いて、アスナビスタッフ紹介が行われたのち、『社員アスリートの活躍事例共有』というテーマで競技以外の活躍事例(風土醸成やエンゲージメント向上、健康経営施策、アスリートの発信力を活かしたブランディング等)を中心に、株式会社オリエントコーポレーション人事・総務グループキャリアデザイン推進部部長の栢野勇一郎氏の講演が行われました。株式会社オリエントコーポレーションでは、米沢茂友樹選手(陸上競技・円盤投)・勝山眸美選手(陸上競技・ハンマー投)・宇野勝翔選手(陸上競技・100m200m)・森本麻里子選手(陸上競技・三段跳)・武本紗栄選手(陸上競技・やり投)の5名をアスナビ経由で採用しています。同社は「その夢、一歩先へ」をパーパスに掲げ、アスリートの活躍を通じて「企業認知度の向上」と、社員全員での応援による「一体感の醸成」を目的にアスリート社員を採用しており、アスリート社員採用の背景や経緯、雇用形態、活躍事例の紹介がありました。
次に、全日本空輸株式会社(ANA)人財戦略室人事部ANA’sWay推進チームの津田奈里氏、洞澤江美氏の講演が行われました。同社は、社員アスリートの支援を通じて「努力と挑戦」を体現し、グループの一体感醸成と機運向上を目指しており、グループ全体では、現役・引退アスリート合わせて合計32名(夏季8競技、冬季7競技の選手)を雇用しています。社員アスリートは現役中、競技に専念しつつ、ANA's Way推進業務やキャリア面談(年4回)を行い、引退後は空港研修を経て、本人の希望を考慮し部署に配置されます。また、競技活動以外では、小中学生向けのキャリア育成プログラム「ANA Blue Monsters活動」や、異文化理解を目的としたグローバル交流会といった社会貢献活動にも従事していることなどの紹介がありました。
■アスリート社員を採用する企業による情報交換会・交流会
その後、参加者が4つのグループに分かれ、各社のアスリート採用における取り組みについてなど、活発な意見交換が行われました。
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