サッカーの天皇杯全日本選手権は11日に2回戦があり、連覇を狙うJ1リーグのヴィッセル神戸はノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)でJ3の高知ユナイテッドSCとの初戦に臨み、二つのオウンゴールとFWエリキ、DF広瀬の得点で4-1で快勝した。
前回王者神戸が4得点を挙げ、今季J3に初昇格した高知を危なげなく退けた。直近のリーグ戦から先発9人を入れ替えた布陣で、序盤に先制して後半に突き放した。
相手が開始から捨て身で畳みかけるように激しく寄せるのは想定済みだった。「素晴らしいメンバーで試合ができる。先制することで試合を優位に進められる」とDF岩波。前半10分、ショートコーナーから今季神戸に加入後初先発のMFグスタボクリスマンがクロスを送り、混戦で相手のオウンゴールを誘った。
前半はボールを支配しながら敵陣で崩しきれず、フィニッシュまでに決め手を欠いた。仕切り直した後半5分、速攻でスペースを突いて汰木が抜け出し、前方へのパスにエリキが合わせて2点目。19分にも汰木のクロスで再び相手のオウンゴールを引き寄せた。
相手のロングボールとカウンターにもリスク管理を怠らなかった。1点を返されたが攻め手を緩めず、交代を機に敵陣で崩して途中出場の広瀬が4点目を奪い返した。
前回大会は27選手が出場する総力戦で頂点に立った。「チーム力で取ったタイトル。今年もみんなで突破していく」と吉田監督。今季後半戦に向けて戦力の底上げも念頭に、「勝つために役割を果たさなければいけない」と課された出番の少ない選手らが、結果で応えた。(井川朋宏)