
ラーメン店「一風堂」を展開する力の源ホールディングス(HD)は11日、インドネシアでイスラム教の戒律に沿ったハラル対応のラーメン店を出店すると発表した。日本では豚骨スープでおなじみだが、鶏肉やエビなどを具材やスープに使ったラーメンを提供する。同国の人口の8割以上を占めるイスラム教徒の需要を開拓する。
力の源HDグループの全額出資でインドネシアに子会社「Noodle Mania Indonesia(仮、ヌードル マニア インドネシア)」を設立する。1号店は早ければ9月にも首都ジャカルタ近郊で出店する。店名に「一風堂」と冠するかどうか未定という。

同社はインドネシアで一風堂を8店舗展開し、現地の華僑向けに豚骨スープのラーメンを提供している。イスラム教徒は豚を食べることが禁じられているため、新会社ではハラル認証を受けたメニューのみとする。
山根智之社長は9日のオンライン決算説明会で「発祥は豚骨だが、鶏ベースのラーメンのノウハウもある」と説明し出店に意欲をみせた。ただ、インドネシアでは「経済環境が悪く、既存店は好調とは言い切れない」(同社)という。1号店の状況をみながら、都市圏で新業態を中心に出店する。
力の源HDは海外ではインドネシア、タイなどのアジアのほか、米国で事業を展開している。25年3月期の海外売上高は146億円で全体の4割を占めている。