海底炭鉱に眠る183人の遺骨発見へ糸口 首相答弁の後、国にも動き
北上田剛 高絢実
戦時中の水没事故で183人が死亡した山口県宇部市の海底炭鉱「長生炭鉱」で、海底に残る遺骨の収容に向けて市民団体が潜水調査を進めている。これまで収容は実現していないが、遺骨発見への糸口が見つかり、18日に再開する調査への期待感は高まっている。収容に後ろ向きだった国にも動きが出てきた。
1942年2月3日、坑内の天井が崩れて海水が流入し、日本人と朝鮮半島出身者の計183人が死亡した。死者の約7割を朝鮮半島出身者が占めている。発生直後、遺体を収容せずに当時の炭鉱会社が坑道を閉じたため、事故の存在は忘れられていた。
国は、実地調査に否定的な立場だ。海中のために遺骨の所在が特定できないことや、安全性が確認できないことなどを理由に挙げている。
遺骨の収容を主導するのは、1991年に設立された市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」(刻む会)。在日韓国人遺族らの要望を受けて、クラウドファンディングなどで資金を集めながら、遺骨返還に向けて活動してきた。
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昨年9月、海に近い陸地に…